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【用語】1026 キレート化合物

金属原子が環状構造の一部を形成し、容易にイオンを
解離しない化合物。

chelate compound

引用元:JIS 金属表面処理 2023

キレート化合物は、中心金属イオンを複数の配位座を持つ配位子(キレート剤)が、
蟹のハサミのように挟み込むように結合して形成される化合物。
別名として錯体(さくらい)とも呼ばれる。

キレート化合物は、以下の特徴を持つ。
・高い安定性: キレート剤と金属イオンの結合は非常に強く、通常の化学反応では
容易に分解されない。
・水溶性: 多くのキレート化合物は水に溶けやすく、水溶液中で安定に存在する。
・選択性: キレート剤は、特定の金属イオンに対して高い選択性を示すことが多く、
混合溶液中の特定の金属イオンのみをキレートすることができる。

キレート化合物は、配位子の種類によって、大きく分けて以下の2種類に分類される。
・ヘテロキレート化合物: 異なる種類の配位子が金属イオンをキレートする化合物。
・ホモキレート化合物: 同じ種類の配位子が金属イオンをキレートする化合物。

キレート化合物は、様々な分野で利用されており、主な用途は以下の通り。
・分析化学: 金属イオンの定量分析、金属イオンの分離・精製
・無機化学: 錯体の合成、錯体の構造研究
・生物化学: ヘモグロビン、クロロフィルなどの生体分子
・医療: 医薬品、放射性医薬品
・工業: めっき、触媒

キレート化合物の例
・EDTA(エチレンジアミン四酢酸): 多くの金属イオンとキレート
образует非常に安定なキレート化合物を形成する。
分析化学や無機化学で広く用いられている。
・オキサロ酢酸: クエン酸回路の中間体として重要な役割を果たすキレート化合物。
・ヘモグロビン: 鉄イオンとキレート образует錯体であり、酸素を運搬する
役割を果たす。
・クロロフィル: マグネシウムイオンとキレート образует錯体であり、
光合成を行う役割を果たす。

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