鉄鋼などの酸洗において、酸洗過多となった場合や、アルカリ溶液で
アルミニウム合金の酸化皮膜を除去したときに生じる微粉末状の黒色物質。
smut
引用元:JIS 金属表面処理 2023
スマットとは、金属材料の表面処理において、酸洗やアルカリ洗浄など
処理後に、不純物として含まれる炭素やケイ素、銅などの微粉末状の物質が、
処理液に不溶性であるために、金属材料の表面に析出したもの。
スマットは、以下の問題を引き起こす。
・めっき外観の悪化: めっき皮膜の表面に付着し、めっき皮膜の外観を曇らせ
たり、粗さを生じさせたりする。
・めっき密着不良: めっき皮膜と金属材料との密着を妨げ、めっき皮膜の剥離や
浮き上がりなどの原因になる。
・塗装の密着不良: 塗装後にスマットが浮き上がり、塗装の剥離や浮き上がり
などの原因となる。
スマットは、以下のメカニズムで発生する。
・酸洗やアルカリ洗浄によって、金属材料表面の酸化皮膜が除去される。
・酸洗やアルカリ洗浄液中に含まれる不純物(炭素、ケイ素、銅など)が、
金属材料表面に析出する。
・析出した不純物が、処理液に不溶性であるため、金属材料表面に残留する。
スマットを除去するには、以下の方法がある。
・酸洗: 酸性の溶液でスマットを溶解。
・アルカリ洗浄: アルカリ性の溶液でスマットを溶解。
・バレル研磨: 研磨材を用いてスマットを物理的に除去。
・電解研磨: 電流を用いてスマットを溶解します。
スマットの防止対策
・処理液の管理: 処理液の成分濃度や温度を適切に管理し、不純物の混入を防ぐ。
・洗浄工程の改善: 洗浄工程を十分に行い、金属材料表面の汚れや不純物を除去する。
・適切な乾燥: 洗浄後の金属材料を十分に乾燥させ、水滴が残らないようにする。
お問合せのページはこちらから