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【用語】1076 水素脆性

前処理及びめっき処理の過程で、被めっき物が水素を
吸蔵して延性又は靭性が低下する現象。

hydrogen embrittlement

引用元:JIS 金属表面処理 2023

水素脆化(水素脆性)とは、鋼材中に吸収された水素により
鋼材の強度が低下する現象のこと。

引用元:Wikipedia

水素脆性とは、鋼材中に吸収された水素により、鋼材の強度(延性または靭性)が
低下し、もろくなる現象のこと。別名として水素ぜい化とも呼ばれる。

発生メカニズム
・水素による原子間結合の弱化: 水素が鋼材中の原子間結合に入り込むと、
結合力が弱くなり、金属が破断しやすくなる。
・水素による内部クラックの発生: 水素が鋼材中に集積すると、内部クラックが
発生し、金属が破断しやすくなる。

水素脆性の影響は、以下の通り。
・強度低下: 引張強度や靭性が低下し、金属が破断しやすくなる。
・遅れ破壊: 外力がなくても、時間の経過とともに破断する可能性がある。
・破面の変化: 水素脆性による破断面は、脆性破面と呼ばれる、平滑で
光沢のある特徴的な破面となる。

原因
・めっき: 酸洗や電解めっきなどの前処理工程で、鋼材中に水素が吸収される。
・腐食: 酸やアルカリなどの腐食環境で、鋼材中に水素が生成される。
・高強度鋼: 高強度鋼は、水素脆性に感受性が高い傾向がある。

対策
・ベーキング: めっきや腐食処理後、鋼材を200℃程度に加熱して、水素を
放出させる。
・塗装: 鋼材表面に塗装を施し、水素の侵入を抑制する。
・高強度鋼の使用を避ける: 水素脆性に感受性の低い鋼材を使用する。

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