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【用語】4022 ポーラスクロムめっき

あらかじめ表面を粗にしてクロムめっきをするか、又はめっき後
その表面をエッチングによって多孔性とし、油の保持性を与える
クロムめっき。

porous chromium plating

引用元:JIS 金属表面処理 2023

ポーラスクロムめっきは、従来のクロムめっきに微細な孔(ポーラス)を
意図的に形成させた表面処理技術である。
装飾用クロムめっきの耐食性、機能性を向上させるために用いられる。

【原理】
めっき液に微粒子を添加することで、クロムめっき層に微細な孔を形成させる。
これらの孔は、以下の効果をもたらす。

・クラックの抑制: クロムめっき層は、硬くて脆い性質を持っているため、
曲げや衝撃などの負荷によってクラックが発生しやすいという欠点がある。
ポーラス孔は、クラックの発生源となる応力集中を分散させ、クラックの発生を抑制する。

・自己潤滑性: ポーラス孔は、潤滑油を保持する役割を果たす。
特に、摺動部位などでは、潤滑油の保持によって摩擦係数を低減し、摩耗を抑制することが
できる。

・腐食抵抗性の向上: ポーラス孔は、腐食因子がめっき層内部に浸透する経路となる。
しかし、孔の大きさが適切であれば、腐食速度を抑制し、むしろ腐食抵抗性を向上
させることができる。

硬度向上: ポーラス孔は、めっき層の硬度を向上させる効果がある。

【特徴】
・高い耐食性: 従来のクロムめっきに比べて、クラックや腐食に対する耐性が
優れている。
・優れた潤滑性: 摩擦係数を低減し、摩耗を抑制することができる。
・厚いめっき皮膜形成: 厚いめっき皮膜を形成することができ、高い硬度と耐摩耗性を
発揮する。
・装飾性: 光沢のある美しい仕上がりになる。

【欠点】
・めっき皮膜の脆性: 従来のクロムめっきに比べて、脆性な膜になりやすい。
・めっき速度が遅い: 従来のクロムめっきに比べて、めっき速度が遅い。
・めっきコストが高い: 従来のクロムめっきに比べて、めっきコストが高くなる。

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