亜鉛ダイキャストにクロムメッキをすると白く変色する原因は?
亜鉛は両性金属であり酸にもアルカリにも侵され腐食しやすい
金属です。従って、しっかりとしたメッキを付けないと
腐食のトラブルの多い素材です。
亜鉛ダイカスト素材のメッキは、一般的に銅ーニッケルメッキを
下地として最上層はクロムメッキ、金、その他の装飾メッキを
施されております。
銅メッキは、シアン銅の方が一般的には安定しております。
耐食性を主に支配するのは下地の銅ーニッケルメッキの厚さと
構成、ニッケルメッキ皮膜自体の耐食性がポイントになります。
早期に腐食が起こった原因を調査するにあたり
①現状のメッキ厚さの確認とニッケルメッキ皮膜自体の耐食性
の評価を行う。
②現状のメッキ厚さがJIS H 8617「ニッケルメッキ及びニッケル
クロムメッキ」に記載されている使用環境別のメッキグレード
に適合しているかを確認する。
③メッキ使用やメッキ厚さが使用環境に適合していなければ
メッキ厚さを厚くする。光沢ニッケルメッキの光沢剤の管理を
徹底する。
④より以上の耐食性を求めるならば、ニッケルメッキを
半光沢ー光沢(6:4)の二層ニッケルメッキをする。
(半光沢ニッケルは、光沢ニッケルメッキ比べ腐食の原因となる
ピンホールが少ない)
⑤更に、光沢ニッケル後に特殊なニッケルメッキ(多孔質又は
高応力ニッケルメッキ)を行いマイクロポーラスクロム又は
マイクロクラッククロム(クロムメッキの表面に微細な孔や
クラックが生じて腐食電流が分散して耐食性が向上する)
など厳しい環境下で使用される自動車部品等のメッキ仕様を
採用する。
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