無電解ニッケルメッキ皮膜の耐食性について詳しく教えて欲しい
無電解ニッケルメッキは、メッキ皮膜の厚さが厚くなれば
なるほど耐食性は良いですが、同じメッキ厚さであると素材
の表面調製の方法によって、耐食性が異なります。
すなわち、素材の表面粗度が粗いとピンホール、クラック、
ピットなどの欠陥が生成しやすく、局部電池作用で素材が
腐食されるため、耐食性が良くないと判断されてしまいます。
特に、焼結合金のようなポーラスな製品にメッキすると、
処理液がしみ出てきて、耐食性を悪くする場合もあります。
したがって、メッキ皮膜自身の耐食性だけではなく、
素材を含めたトータルの耐食性を考えなければなりません。
また、コピー機の部品のシャフトなどは、4〜5μmという
非常に薄い無電解ニッケルメッキを施されてますが、
耐食性が良くないと判断されています。
信頼性を回復するためには、無電解ニッケルメッキの耐食性を
向上させる取り組みが必要です。
無電解ニッケルメッキの耐食性を向上させる方法として、
①150〜200℃で熱処理をする(焼結合金などには特に
有効である。熱処理温度をこれ以上あげると、結晶化
し、耐食性が悪くなる)。
②六価クロムを用いるので問題があるが、クロメート
処理により不動態化する(浸漬クロメート処理でも
効果があるが、電解クロメート処理をするとより
効果が上がる)。
③シリコンオイルなどにより、無電解ニッケルメッキの
下層のピンホールを塞ぐ。
④銅ストライクメッキし、犠牲溶解型にする(腐食
環境により、犠牲型にならない。腐食を促進させる
場合もある)。
⑤高リンタイプ(リン含有率10%以上)の無電解ニッケル
めっきを行う。
⑥合金化により、耐食性を向上させる。例えば
Ni-Cu-P,Ni-Sn-P,Ni-Zn-Pなどの合金化により耐食性
を向上させる。
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