ニッケルとは?
ニッケルは遷移金属のレアメタルの一つで、錆びにくい性質を持つ
金属です。
大気中はもちろん、水は海水に対しても腐食しにくく安定しています。
このため、特殊な環境や化学物質などへの耐腐食性が求められる局面で、
ニッケル合金として使われます。また、そこまでいかずとも、
ニッケルメッキとして金属表面を保護し、耐食性を付与することも可能です。
ただ、ニッケル合金をはじめ、鉄鋼材料でもニッケルクロム鋼(SNC)、
ニッケルクロムモリブデン鋼(SNCM)は価格が高いことでも知られます。
どんなものにでも使う汎用性の高い鋼材というよりは、用途を絞りこんで
使われることが多いといえます。
またステンレス鋼(SUS)のうち、クロム-ニッケル系ステンレスに該当
するオーステナイト系ステンレスや二相系、析出硬化系には規定値が設けられ、
概ね6~28%程度(SUSの種類による)のニッケル成分が含有しています。
またクロム系ステンレスにも微量ながら含むことがあります。
このほか、用途としてはニッケル水素電池やニッカド電池の電極には
ニッケル化合物が使われています。
ニッケルの埋蔵量としてはオーストラリア、ロシア、キューバー、ブラジル、
ニューカレドニア、カナダなどで多くあるとされます。
ニッケル(元素記号 Ni)の特性、物性
分類 金属元素
電子配置 3d84s2
英語 Nickel
原子量 58.69
同位体 58Ni、60Ni、62Ni、64Ni
融点 1453℃
沸点 2730℃
密度 8.908 g/cm3
比重 8.90 g/cm3(20℃)
硬度 モース硬度4
色、形状 銀白色
20℃、1atmでの状態 固体
線膨張率
(α/10-6K-1) 100K:6.6
293K(20℃):13.4
500K:15.3
800K:16.8
ニッケル(元素記号 Ni)の電気抵抗(ρ/10-8Ω・m)
700℃ 40
300℃ 22.5
100℃ 10.3
0℃ 6.2
-195℃ 0.55
ニッケル(元素記号 Ni)の熱伝導率(W・m-1・K-1)
700℃ 71
300℃ 67
100℃ 83
0℃ 94
-100℃ 113
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