ニッケルクロム鋼とは?
ニッケルクロム鋼とは、単にニッケルクロム鋼といえば
構造用低合金鋼をさし、ステンレス鋼のような高合金鋼は
含めません。
ニッケル Niの効果は地鉄を強靭にし、焼入れ性を安定化すること
です。
クロム Crは地鉄を硬くし、焼入れ性にも寄与するが効果は
1.0%を限度とするので、ニッケルで補うわけです。
ニッケルは昔から「鉄の頓服剤」といわれたほどよい鋼成分で、
クロムはさらにそれを助けるから、よい熱処理をすると引張り強さ
75~100 kg/mm2 に達します。
通常の組成は炭素 0.33%程度の炭素鋼に Ni1~3.5%、Cr0.5~1.0%で
炭素 0.15%程度に下げた浸炭用鋼 (→肌焼鋼 ) もあります。
この鋼種の欠点は焼戻し脆性が現れることと、水素による白点の出現
であるが,焼戻し脆性はクロム鋼と同様、モリブデン (0.15~0.35%)
添加で緩和することが出来ます。
ニッケルクロムモリブデン鋼は欠点の少い意味で構造用鋼としては
最高級品種です。
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