電気亜鉛メッキの耐食性向上はどのようにするのか?
電気亜鉛メッキは、鉄の防錆メッキとして、安価で生産性に
優れていることから、広範囲な分野で使用されてきている。
古くから高濃度シアン浴が使用されてきたが、公害問題の
勃発以降、中シアン浴、低シアン浴、ジンケート浴、
塩化浴が開発され、皮膜物性や生産性、素材に対する
メッキ性等で、用途別に浴種の選択がなされている。
耐食性は、メッキ厚とクロメート皮膜の種類によって
左右される。
現状の電気亜鉛めっきで期待した耐食性が得られない場合の
問題点を以下に記載する。
①クロメート皮膜の選定は的確か
JISに規定しているようにクロメート皮膜の種類により
耐食性が異なる。光沢クロメートは腐食環境が厳しい
場合には、耐食性が期待できない。
②メッキの厚さは確保されているか
クロメート皮膜の耐食性が良好でも最低5μm以上の
亜鉛メッキ加工の厚さがないと本来の防錆メッキとしての
効果がでない、旧国鉄の規格では、屋内用8μm以上、屋外用
13μm以上との規定があった。
③クロメート処理液や処理の管理
クロメート皮膜の耐食性は、クロメート皮膜の六価の
クロム含有量に影響するため、クロメート処理液の管理
(無水クロム酸の濃度、pH、亜鉛など金属不純物の
蓄積)や処理時間を適正にする。
④クロメート処理後の水洗
極端に過剰な水洗は避ける。湯洗をする場合は40℃以下
に留める。
⑤クロメート処理後の乾燥
乾燥温度が高いと皮膜にクラックが生成し、著しく
耐食性が劣化するため、60℃以下に留める。
⑥傷等の取り扱いに注意する
⑦亜鉛合金メッキの採用
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