アルミニウムの有色クロメート皮膜上に塗装しているが密着性が悪い原因は?
下記にて文献からの抜粋した内容を記載します。
アルミニウムの有色クロメート皮膜の上に塗装して
いるが密着性が悪いとの事。この対策としては次の通り
である。
①脱脂不良
脱脂剤の濃度低下または脱脂液の老化が考えられるので
濃度を測定し所定の値に修正する。老化している場合に
は、脱脂液の上層部の油を含め一部廃棄し濃度を補正す
るか又は更新する。
②エッチング不良
アルカリエッチング液の場合には、遊離アルカリ・全
アルカリ度を測定し、アルカリ比を注意しながら遊離
アルカリ度を補正する。酸性エッチング液の場合も酸度
を測定し、所定の範囲内に合致させる。
③スマット除去不十分
スマット除去液の濃度の低下又は老化が考えられるので
濃度を測定し所定の値に修正するか老化の場合には更新
する。
④皮膜が厚すぎる
これは皮膜処理液の濃度が過大か又は処理温度が高すぎ
るものと考えられる。黄金色皮膜の場合、クロム酸含有
量が5g/l以下になると生成皮膜の色がうすくなり、10g/l
以上になると生成皮膜が剥離しやすくなる(但し、皮膜
処理液のpHとも関係がある)。
黄金色皮膜の場合には、皮膜処理液のpHは1.6〜2.0に保
つ必要がある。pHが2.0以上になると生成皮膜の色が薄
くなり、1.6以下になると生成皮膜が剥離しやすくなる。
皮膜処理液の組成に応じて所定の処理液温度が定められ
ている。
所要の温度よりも高い温度で処理すると、アルミニウム
表面が過度にエッチングされ、必要以上に厚い皮膜
(過剰のクロム酸塩が含有する)が化成され、かえって
その性能を低下する。また、皮膜処理中のアルミニウム
イオン、クロムイオンが急速に増加し、皮膜化成に悪影
響を与える。
⑤皮膜化成時間が長すぎる
時間は所定の範囲で完了すべきである。時間が長すぎる
と生成皮膜が剥離しやすくなる。
参考文献 表面処理対策Q&A1000
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