スズメッキのウイスカとは?
ウイスカは直径1〜10μm、長さ数μm〜数10mmにも
達する針状の単結晶であり、スズ、亜鉛、カドミウム
などの低融点金属に生成しやすい。
ウイスカは、スズメッキ皮膜の圧縮応力の緩和過程で
生じる特殊な再結晶であり、温度や湿度などの環境条件
はもとより、スズメッキ浴種や、添加剤の種類、メッキ
条件、メッキ膜厚、下地金属の種類、スズメッキ皮膜の
加工ストレスなど様々な要因によって発生することが
確認されている。
ウイスカは次のような要因で起こると言われている。
①光沢スズメッキで圧縮応力が大きい場合。
②黄銅のような亜鉛金属が含まれる素材上にメッキした
場合。
③メッキ後、高温多湿な(50〜60℃、90〜95%RH中)
環境にさらされた場合、表面に生成した酸化スズは、
スズに比べて1.4倍体積が大きいので、スズメッキに
応力が生じる。
④冷熱サイクルが繰り返された場合、膨張、収縮の応力
を受ける。
これらの要因は単独ではなく、複合して起こると言われて
いる。したがって、ウイスカを防止するためには以下の
ような対策が取られている。
①鉛のように異種金属を共析させる。現在はビスマス、
銀、銅などが用いられる。
②スズメッキ後、溶融加熱処理(リフロー)を行うか
150〜180℃で約1時間熱処理する。
③メッキ皮膜中の炭素含有量の少ない半光沢スズメッキ
を選択する(内部応力の小さいスズメッキ浴の使用)。
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