4130および4140合金における硬質クロムメッキの後の水素脆性について
水素脆性は、色々な金属で生じる現象です。
しかしながら、高張力鋼はその脆性に対しての感度が、
ずば抜けて高いと思われます。
高張力合金鋼において、水素の存在は、材料の延性を阻害します。
延性とは、一般的に、応力下で金属が変形する性質と理解されています。
応力や荷重と、延性や伸びの間には予想することのできる関係が
あるのですが、水素はいくつかのメッキプロセスにより、鉄鋼
組織中に吸収されますが、特に6価クロムからのクロムメッキに
その現象が生じます。
事実、電析中に水素ガスがカソード(陰極)より解放されます。
水素は金属が変形する能力を阻害します、そして結果的に、金属は
予想されるよりずっと低い荷重や応力で割れたり壊れたりします。
金属への水素脆性の影響は重大な問題で、特に航空機材料の製造に
おいて深刻です。
この問題の解決法として、電析後にベーキングを行います。
適切な時間、適切な温度での金属の熱処理が、水素を金属から追い出し、
応力を緩和します。
いろいろな合金に対し、その種類の数だけ理論や方法があります。
しかし、次のことを言っておけば十分です。
それは殆どの高張力、高熱処理材料は、電析の浴から取り出した後、
2時間以内に375度F(約190℃)の温度で24時間のベーキングを行う
ということです。
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