三和メッキ工業株式会社

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硬質クロムメッキ工程における水素の発生量は計算出来るのか?

御社がどれだけの電流が流れたことを知っていれば、
カソード側にいくつの電子が通過したかを知ることが
できます。

1アンペアの電流は毎秒1クローンの電気量を運びます。
(毎時3600クローン)

ファラデーの法則によれば金属の当量(注:金属の原子量
を原子価で割った値のグラム)をメッキするのに96,490クローン
(1F:ファラデー)用いられ、それは1時間当たり約27アンペアに
相当します。(96490÷3600)

当量は何をどれだけメッキするかによって違ってきます。
6価クロムは原子量52で原子価6なので当量は約8.7gです。

もし電流のすべてが硬質クロムメッキのために使われるの
であれば、毎時27アンペアの電流で8.7gのクロム金属を
得ることができます。

しかし硬質クロムメッキは非常に非効率です。
もし電流値の20%が硬質クロムメッキに使われ、それ以外は
水素発生に使われると仮定した場合、0.2当量(1.7g)が
メッキとして使われ、毎時27アンペアで0.8当量(0.8g)が
水素発生に使われます。

水素が1g発生するには毎時34アンペアでメッキするという
ことになります。

室温と1気圧において、1gの水素は約12.2リッター(0.43立方フィート)
を占有します。
1時間で1立方フィート(0.0283リッター)の水素を作り出すのに、
毎時79アンペア(34÷0.43)が必要です。
要するに、メッキ浴に流したアンペア数を79で割ると、
おおよそ1時間あたりの水素発生量を計算することができます。

仮にメッキ施設にベンチレーターなどがなく完全に遮断されて
いる状態で、かつ数百アンペアを流した場合、30分以内で室内の
上部の空気は水素で入れ替わってしまいます。

一方、電極側の酸素発生と電気スパークなど放電発生しやすい
環境を考慮すると、密閉された環境でメッキ作業することは非常に
危険であることは容易に考えられるでしょう。

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