素地の表面粗さの凹凸は硬質クロムメッキ後にどうなるのか?
硬質クロムメッキには凹凸を滑らかにする平骨化作用は
ありません。
また、硬質クロムメッキで、素地の擦り傷、割れ目等を
隠せるものではありません。
装飾用クロムメッキの場合は素地を磨き、下地に光沢ニッケル
若しくは光沢銅、あるいは光沢ニッケルと光沢銅の二層メッキを
施すことにより凹凸部を滑らかにした後、上に薄いクロム層
(0.5~1μm厚)を設けることで光沢のある仕上がりを実現しています。
一方、硬質クロムメッキの場合は、素地金属をむらのない平骨な
表面になるよう磨かなければなりません。
そしてメッキ前の工程では一般的なものに、研磨、ショットピーニング、
ガラスビーズやエメリーによるブラスト等の加工があります。
次のメッキ工程では通常、最初に密着性を高めるための逆電解に
よるエッチングを行います。
これら全ての前処理は、硬質クロム後のメッキ表面に反映されて
しまいますが、それらはめったに不良とは見なされません。
またメッキの厚みは、薄いものは、5~10μm、また厚いものは
上限がありません。
硬質クロムメッキには素地の入念な前処理が不可欠です。
硬質クロムメッキは、下地を映し出す鏡です。
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