1050　水素過電圧

水素発生反応における過電圧。

hydrogen overvoltage

引用元：JIS 金属表面処理　2023

水素過電圧とは、金属電極上で水素イオン（H+）が水素ガス（H2）
になるために必要な電位（電圧）を、理論電位よりも大きくする
過剰な電位差のことを指す。

理論電位とは、水素イオンが水素ガスになるための標準的な電位で、
0V。しかし、実際には水素過電圧の影響で、0Vよりも高い電位が必要となる。

水素過電圧は、様々な影響を与える。
・電池や燃料電池の性能: 水素過電圧が大きいと、電池や燃料電池の効率が
低下する。
・金属腐食: 水素過電圧が大きいと、金属腐食が発生しやすくなる。
・電解めっき: 水素過電圧が大きいと、電解めっきの品質が低下する。

水素過電圧を小さくするためには、以下の対策がある。
・触媒の使用: プラチナなどの貴金属を触媒として使用することで、
水素イオンの活性化を促進することができる。
・電極表面積の拡大: 電極表面積を拡大することで、電極表面付近の
水素イオン濃度を高くすることができる。
・電解質溶液の温度上昇: 電解質溶液の温度を上昇させることで、イオン
移動速度を上げることができる。

お問合せのページはこちらから