メッキ専門用語

2016 補助陰極、かぶり止め

陰極の電流密度を改善するために配置する補助の陰極。

参考:電流の集中しやすい箇所に品物とは別の陰極を配置し、
めっき厚さを均一にしたり、めっき皮膜の焼けを防止することを
目的とする。

auxiliary cathode,supplementary cathode

引用元:JIS 金属表面処理 2023

めっきや電鋳では、被めっき物に電流を流すことで、金属イオンを析出
させて皮膜を形成する。しかし、被めっき物の形状や溶液条件によっては、
電流密度が不均一になり、厚さがムラになったり、焼け(かぶり)が発生
したりする問題がある。
補助陰極は、被めっき物とは別に設置することで、電流密度を分散させ、
均一な皮膜形成を促進する。

役割
・電流密度の高い箇所を抑制: 補助陰極が電流の一部を引き受けることで、
ワークの電流密度を下げ、厚さがムラになるのを防ぐ。
・電流密度の低い箇所を促進: 補助陰極をワークの電流密度の低い箇所に
近づけることで、電流密度を上げ、皮膜の形成を促進する。
・溶液の攪拌: 補助陰極が電流を流すことで、溶液が攪拌され、金属イオンの
濃度が均一化される。

注意点
・設置位置: 補助陰極の設置位置は、めっきや電鋳の進行状況を見ながら調整する
必要がある。
・表面状態: 補助陰極の表面は、常に清潔に保つ必要がある。汚れや酸化膜が
付着していると、電流効率が低下したり、皮膜の品質が低下したりする可能性がある。
・溶液: 補助陰極は、溶液に完全に浸漬する必要がある。
・安全性: 補助陰極は、感電などの危険性があるため、取り扱いには注意する必要がある。

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