メッキ専門用語
電気亜鉛めっきは、電流が鉄から亜鉛に向かい亜鉛が
液中で陽極となって溶解するので、鉄の錆を防ぐ効果がある。
素材に電気を使用してめっきする方法は、均一で精度のよい
薄い亜鉛皮膜を析出することが出来るので、精度を要求される
素材に適している。
しかしそのままでは、亜鉛めっき皮膜が酸化し腐食してしまうので、
クロメート処理を行い耐食性を向上させなければならない。
電気亜鉛めっきの特徴は9つあり、様々な特性を付与することが可能。
1.電気特性としての導電性
亜鉛金属の導電性は5.9×10-6 Ω-cmと良好で、クロメート処理で
更に導電性が高くなる。
2.加工性
2.5モース硬度なので、常温では脆くメッキ後の曲げ加工には多少
の問題があるが、良好。
3.脆性
亜鉛めっき処理後、4時間以内に200℃で数時間処理すると
水素が放出すので、脆さがなくなり車のボルトなどに使用可能。
4.はんだ付け性
亜鉛の状態では問題なく使用可能。
5.耐食性
亜鉛めっきだけでは、白錆が発生するのでクロメート処理にて補い、
防食作用を付与出来る。
6.皮膜に保護作用
亜鉛の酸化皮膜は、空気や水を通しにくく亜鉛を析出するため
防錆力がある鉄製品などに行う亜鉛めっきを補う為にクロメート
処理を行うことにより耐防食性が向上。
7.犠牲防食作用
亜鉛は鉄よりイオン化傾向が大きいため錆びにくい。
8.皮膜にピンホールがあっても鉄鋼製品の錆び止め効果が大きい。
亜鉛が犠牲になるためにキズの周囲の亜鉛が鉄よりも先に溶け
出すことにより、電気的に保護する。
9.価格が安い
バレルメッキという手法があり、大量の処理が可能で価格を安く
できる。