メッキQ&A
メッキにより潤滑性を付与する方法としては、
①皮膜の保油性を高める
②表面の摩擦係数を低くする
③なじみ性をよくする
などの機構によるもので、主なメッキは以下の通りです。
(1)ポーラスクロムメッキ
シリンダライナーのように潤滑油を使用する環境下では、
保油性を高めたポーラスな硬質クロムメッキが使用されてます。
(2)鉛合金メッキ
軸受けのなじみ性を良くするのに、鉛ーすず、鉛ーすずー
アンチモン、鉛ーインジウム合金などの特殊なメッキが
使用されてます。
(3)銀メッキ
初期のなじみ性、潤滑性を改善する目的で、内燃機関の
ピストンリング、ピストン表面にすずメッキ、銀軸受け
での銀の厚付けメッキなども行われています。
(4)複合メッキ(分散メッキ)
メッキ浴中に潤滑性能を持つ固体微粒子を分散させて
メッキすることにより皮膜中に微粒子を共析させた
複合メッキ法は、潤滑性による耐摩耗性の向上や離型性
の改善などに利用されてます。
実用例としては、ふっ素系樹脂、ふっ化系黒鉛、二硫化
モリブデンなどのニッケル複合メッキがあります。
(5)複合処理皮膜
メッキ皮膜を多孔質化し、次に、その孔にふっ素系樹脂
を固定化する処理を行って潤滑皮膜を得る複合処理皮膜
が商品化されてます。
①P-in処理
被処理物をショットブラストし、樹脂を含浸しやすい
ような無電解ニッケルメッキを行います。
次にPTFEを多孔質化した無電解ニッケルメッキ皮膜中に含浸させ、
300〜400℃で熱処理を行い樹脂を焼成させる方法です。
②テフロン硬質アルマイト処理
アルマイト皮膜の孔にPTFEを含浸させる方法です。
③テフロンクロムコート
硬質クロムメッキ表面にテフロンメッキを施す方法です。
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