メッキQ&A
下記にて文献からの抜粋した内容を記載します。
表記の海塩粒子よる腐食環境下において耐食性の
あるメッキとしては、
①Fe素地へのZnやALメッキ代表される犠牲防食(電気
化学的に貴な素地金属の上により卑な金属をメッキする)
型の防食メッキ。
②Fe素地へのNiやCrメッキに代表されるバリヤー
(電気化学的に卑な素地金属の上により貴な金属を
メッキする)型の耐食性メッキ。
がある。
防食メッキの大きな特徴は、メッキ皮膜中に鉄素地に
達する引っかき傷やクラックが存在していても、メッキ層
が溶解してなくなるまでFe素地は防食され、その防食性能は
メッキ膜厚に比例して増加することである。
例えば、約57μm膜厚の溶融亜鉛メッキの海岸地帯での
推定耐用年数(メッキ皮膜の99%が溶解するまでの期間)
は33年、約85μm膜厚で50年と試算されている、
最近、高い防食性能が要求される部品には、電気メッキ
ではクロメート処理されたZn-NiやZn-Fe合金メッキが、
また溶融メッキでは合金化Zn、Znー55%Al合金および
Alメッキが実用化されている。
D.J.Blickwedsらは、海岸近くで大気暴露試験を行い
Al>Zn-55%Al合金>Znの順に防食性が優れていると
報告している。
一方、耐食性メッキとしては、メッキ皮膜自体の耐食性
が優れているNi、CrやNi-p合金メッキがあるが、メッキ
皮膜にピンホールや割れ等の欠陥が形成されると、欠陥
部を通して鉄素地が局部アノードとなって選択的に溶解
し、錆の発生の危険が大きいので、単層メッキではなく
犠牲防食原理に基づく、高耐食性の二層Ni-Crメッキ、
三層Ni-Crメッキとして利用されている。
参考文献 表面処理対策Q&A1000
産業技術サービスセンター