メッキQ&A
メッキが析出しないということはニッケルメッキに問題が
ある場合とクロムメッキに問題がある場合があります。
クロムメッキに問題がある場合は、
①硫酸根が多すぎる
②三価クロムが多すぎる場合
ニッケルメッキ後クロムメッキすることから、メッキ浴中に
硫酸根が持ち込みやすくなります。
クロムメッキ浴中の三価クロムが多くなると、良好なクロムメッキ
が析出するための電流密度の範囲が狭くなります。
一方、ニッケルメッキに問題がある場合は、
③ニッケルメッキにおけるバイポーラ不良
④ニッケルメッキ後の放置時間が長い
⑤ニッケルメッキ後の水洗水の汚れ
⑥ニッケルメッキ浴の光沢剤の過剰
⑦ニッケルメッキ浴中の光沢剤の分解生成物が蓄積
している
などの原因で発生します。
①の対策として、硫酸根の除去は、硫酸バリウムとして
沈殿させます。
硫酸1gを除去するためには炭酸バリウム2g必要です。
③④⑤の不良をなくすためには、ニッケルメッキ後
4%ぐらいの無水クロム酸溶液に浸漬する。
⑦の不良をなくすためには、ニッケルメッキ浴を活性炭
処理する方法になりますが、現実的ではございません。
クロムメッキが析出しないことからクロムメッキ工程に
問題があるように考えがちですが、ニッケルメッキに問題がある
場合の方が多いです。