メッキQ&A
下記にて文献からの抜粋を記載いたします。
ニッケルメッキは、通常陽極面積を大きくして、pHが
徐々に上昇するように設定されている。
pHが上昇し、4.2以上になると浴中のFe³+イオンが沈殿
しやすくなり、皮膜中にザラが生じる。
こまめにpH測定を行い、ニッケルメッキ浴のpHを
3.8〜4.2の間に調整する。
したがって、pH調整の不足が考えられる。ニッケル
メッキにザラが発生することにより、外観が悪くなり、
また、耐食性が低下する。
ザラの発生原因は、不溶性粒子がメッキ面に取り込ま
れることによって生じる。不溶性粒子は、次のような
ものから持ち込まれる。
①陽極からの金属スライムの混入
②pHの上昇による水酸化物の共析
③素地の不完全な洗浄いよるメッキ浴への持ち込み
④治具の金属フレークのメッキ浴への脱落
⑤撹拌用の空気の汚れによるメッキ浴の汚染
⑥メッキ浴中での不溶性塩の生成
ザラを防止するためには、必ず連続濾過を行い、少なく
とも1時間に1回循環する濾過量でなくてはならない。
また、水洗水は鉄やカルシウムイオンの含まれていない
清浄な水を用い、さらに、作業環境を整備し、埃などが
メッキ浴に入らないようにしなければならない。
参考文献 めっきのトラブルシューティング
日刊工業新聞社