メッキQ&A
快削鋼は被切削性を向上させるために、硫黄分を0.2%
程度含有させ、硫化マンガンとして組織中に混在させ
ています。
これが圧延方向に延びて、切削時には切り欠け効果と
潤滑効果により切削しやすくしています。
硫化マンガンは希薄は酸にも溶解しやすく、酸処理の
酸が強いと素材が過剰にエッチングされ、硫黄・炭素
が表面に露出します。
この硫黄・炭素により密着不良が生じたと考えれます。
対策として、酸処理の酸の濃度を下げ、浸漬時間も短時間
にすることにより解決した事例があります。
快削鋼にメッキする場合、冬季には問題が起こりにくい
ですが、夏季には問題が多く発生しやくなります。
メッキしてから数時間経過後に表面に赤さびが見られること
がありますが、これなども素材のエッチング過剰によるため
です。