メッキQ&A
装飾クロムメッキ(ニッケルクロムメッキ)の欠点には以下のような
ものがあります。
①耐摩耗性がない
装飾クロムメッキは、素材に銅、ニッケル等の中間メッキが施され、
その上に薄くクロムメッキが行われています。
耐摩耗性が小さく、密着力が弱いために、硬質クロムメッキと比較
するとメッキが剥げやすいです。
②酸性の雰囲気で溶解してしまう
塩酸などの酸性の雰囲気で皮膜が溶解してしまいます。
また、ピンホールが発生することで、素材から錆が発生することも
あります。
③電気を使用するめっきなので皮膜均一性がない
装飾クロムメッキは電流効率が悪く、付きまわりが悪いと言われて
います。
鋭い角部にはメッキが厚くつくのでバリが出やすく、隅部や複雑な
部分には、メッキがつきにくくなります。
したがって、電圧や温度管理、そして治具製作・考案など、品質を
安定させるのが少し大変で、技術的に難しいメッキと言えます。
角部にRをつけられるものは出来るだけ大きくとり、隅部(特に形状部
ツバのついた軸の根元等)には、できれば逃げのあることが望ましいです。
複雑な形状の場合には治具の製作が必要となります。