メッキQ&A


硬質クロムメッキ後の水素脆性に対しての有効策は?

水素ガスは前処理工程中やメッキ工程中にカソードより
放出されます。

この遊離した水素は「クロム皮膜」やカソードとなる
「被メッキ材の金属」をもろく(脆性化)させます。

鋼鉄やはがね類(特に硬化処理をした素材など)は
この傾向が顕著に現れます。

ロックウェルC45(Hv447相当)以上に硬化処理した鋼鉄には
非常に大きいリスクとなります。

また製品によっては研削や研磨などの機械加工があり、
これらの工程中で素材に残留応力を発生させてしまいます。

メッキされた部品が機械に取り付けられた後、運転中に力が
かかり部品が損傷した際は、非常に大きな問題を引き起こします。
ピーニングは不要な表面層を「引張応力」を好ましい「圧縮応力」に
変換させることができます。

脆性化の恐れがある部品は、メッキ後にベーキング処理により加熱し、
水素脆性除去を行うことがあります。
ベーキング処理は190〜200℃程度の温度で3時間以上行うことが
多く、また仕様によっては処理時間を指定されている場合もあります。

ベーキングは水素を取り除き(移動させ)ますが、それと同時に
高張力鋼の疲労限を低下させる働きもあります。

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