メッキQ&A
硬質クロムメッキされた箇所が満足出来る密着性を持つかを
正確に判断する為には、クロムメッキとその素地金属に曲げる、
切断する、たわます、たがねを打ち込む等、何らかの手を
加えなければ調べられません。
理想は御社が部材の一部をテストのために犠牲にすることを
エンドユーザーが許可してくれることです。
これは密着性が適合していることを示す最も説得力のある
方法ですが、そのためのスペアの部材が用意してあると
いうことは希です。
航空機や工業分野での硬質クロムの仕様書では、追加的に
試験片にめっきすることを要求し、この試験片を実際にメッキ
される部材と同じであると見做すようにしています。
なお、この試験片は実際の部材と同じ材質で、同じ熱処理が
施されたものか、それに近いもので作られます。
硬質クロムメッキの密着性を調べるための、より一般的な試験片
は次の二つのどれかです。
1)曲げ試験用:約25mm×100mm×1mmの焼きなましされた
4130材(モリブデン鋼)の板
2)たがね打ち込み試験用:約25mmの焼き入れされたV溝の
入った棒材
このような試験は一週間毎、または一定期間、あるいはロット毎
に行われ、試験と試験の間にメッキされたエンドユーザーの部材は、
それら試験片と同じであると見做されます。
もし試験片のメッキが合格であれば、メッキされた実際の部品は
承認されます。
また、もし試験片が不合格であれば、そのロットの部材も疑われ、
認定するためには、さらなる評価が必要となります。
母材上の硬質クロムメッキの密着性に影響を及ぼす因子は多いので、
この試験片を用いる方法は、「万能」の解答というわけではありま
せんが、少なくとも特定のメッキ浴に関して一定の信頼を得るため
の手段とはなりえます。
後は、メッキ処理の担当者が最良のめっき方法の基準に従い、
熟練した技能で仕事に取組むかにかかっています。
ISO9001を取得していれば規定およぼ基準がございますので
管理が着実に行われているはずです。